何年も男と接していないと少し優しくされただけでトゥクンとくる

バイト先に同じ年齢くらいの男性が数名いるのだが、なかなか上手く話せない。

何故ここまで話せないのか、それは私が中学・高校のとき男子とロクに話していないからである。

 

中学のころはいじめが原因で男子と話すことが嫌いになった。きっとこいつも私のこと嫌いなんだろうな、と思ってしまう。

高校でもその意識が残り男子と喋った記憶はほとんどない。

記憶にあるのは「ありがとう」「ごめん」の二言である。これでもよく喋った方だ。

 

本当なら青春の一つや二つ送ってみたかったのだがそんな欠片も経験することはなかった。少女漫画のように放課後残ってお喋りなんてしてみたかった。

今、あのときに戻ったとしてもきっと私は話せないままだと断言できる。

 

中学・高校と合わせて六年間男子と話していない上に大学にはその男子すらいない。そんな環境で男子に免疫がつくわけなかろう。

学校に行けば友達(女子)とわいわい騒ぎ、行き帰りの電車では特に出会いもない。

 

そんな私がバイトを始めるとそこには同じ年の男がいる。

 

男子とどう話せばいいんだ。

 

普通にしていれば話すこともないのだろうが、生憎担当のおばさん以外と話したことがあるのは男子だけなのだ。何故。

話したと言っても説明をしてもらったり、少々世間話をした程度。それでも私は男子とこんなに喋ったことはここ数年なかった。

 

バイトを始めて一か月も経っていないのだから、優しくしてもらうのは当たり前だ。しかし、その優しさにときめいてしまうのだからどうしようもない。

 

男子に免疫がないと、少し優しくされただけでトゥクンと胸が高鳴ってしまう。どうしようもない。

 

例えば、扉を開けてくれたり。気遣って話しかけてくれたり、重い方を持ってくれたり。

 

なんなの!?私のこと好きなの!?

 

と思わなくもないがそんな可能性は考えなくともゼロだと断言できる。分かっている知っている。

しかしそれでも少なからず思ってしまうのがブスだ。

 

駄目だ、ブスに優しくしないでくれ。ブスに優しくすると勘違いをするから優しくしないでくれ。

でも怒らないでくれ、嫌わないでくれ。

 

 

私は中学の頃の男子が最悪だったため、男子にあまり良い思い出はない。

それ故か、優しくされると

 

「本当は心の中で私のことを悪く言ってるんだ」

「こんな新人に教えるの面倒だと思ってるんだ」

「早くどっか行けよって思ってるはずだ」

「笑顔だけど絶対心の中で舌打ちしてる」

 

等と、可愛くないことを思ってしまう。

女性に対してはそんなこと思わないのに男性にはそう思ってしまう。

 

だから猫を被ってしまう。

意識して猫を被っているわけではなく、反射的にしてしまうのだ。

そんなことをしても可愛くないのは分かっているのだが、少しでも良く思われたいと心の底で願っているのである。

これだからブスは、と自分でも呆れる。

 

仕方ないじゃない、嫌われたくないんだもん。

 

私に優しくしないで!!!どうせ心の中で私のこと笑ってるんでしょ!!面倒だって思ってるんでしょ!!

 

怒らないで!!優しくして!!嫌わないで!!

 

この二つの声が私の中にある。

 

なんて可愛くないブスだろう。

素直じゃないコミュ力もない喋れないブスなんて存在価値があるか。ないわ。

 

これはお仕事だ。私に優しくするのがこの人たちの仕事なんだ。と思うしかない。

なんだかそれも悲しいが、勘違いをしたくないのだ私だって。

 

 

コミュ力をつけて男子とも普通に話せるブスになりたい。欲を言えば美人になりたいけど欲張りはだめだからな。

 

勘違いしないブスになりたい。